有るものは見えず、無いものを見ようとする人

電動車椅子で畑の道を歩きながら

見つけた草花などを採ってきて描いています。

地面に生えている

その場所で描ければ良いのですが、

首の力は以前とほとんど変わりませんから、

やはりベッドの上で

身体を横にして描いています。

顔の前二十センチのところに画用紙を立てると、

他のものはほとんど見えなくなります。

ですから描く花は画用紙の横に辛うじて見える

一輪か二輪の花になります。

でもこの不自由が、

私に花の美しさを教えてくれました。

あれも描きたい、

これも描いてみたいという誘惑から、

一輪の花と静かに向き合う事を

教えられたのです。

あなたの手のひら 星野富弘さん著

目の前にあるものと向き合う

わたしの知人で、

目の前の人間関係がうまくいってないのに、

「○○な人を救いたい」と

言っている人がいました。

マザー・テレサの

「世界平和のためにできることですか?家に帰ってあなたの家族を愛してあげてください」

という言葉を、読んだことがありますが

世界の平和を考えることができても、

身近な友人や家族のことを考えれないのが、

人間というものなのかもしれません。

近くを見ようとせず、遠くをみようとする

今あるものと向き合うどころか

あれも欲しい、これも欲しいと思い

今囲まれている人と向き合うどころか

あの人が欲しい、

この人と向き合いたいと思い、

今与えられている環境と向き合うどころか、

ああなりたい、こうなりたいと不満を持ち

星野さんのように、

この不自由が、私に花の美しさを教えてくれた

と考えるのではなく、

この不自由が、私に苦しさを教えてくれた

と、考えるような愚か者とは、

他でもない、このわたしです。

有るのに見えず、無いものを探す

星野さんは、一輪の花に向き合うことで、

花の美しさを知ったということですが、

はじめから有るのに見えていなかったのは、

他でもないわたしの心が原因です。

一輪の花に向き合うことで、

今まで見えなかったものが

より深く見えてくる。

あれも、これもと考えて、

結局、何も見えないこのわたしは、

自分で考えてみても、

人間というよりは、非常に動物的ですね。